私はなぜ勉強会を開きたいのか

ツイッターなり、前回の告知やこのブログで断片的に話していたけど、もう一度まとめてきちんとかいておこうと思う。
勉強会に参加される方は、私の考えなり思いを読んでいただけるととてもうれしい。

私がガンになる2〜3ヶ月前から、ガン闘病の末無くなった方のブログを読んでいた。
辛かった。
とても辛かった。
涙なくしては読めなかったし、震えてた。

このブログを読んで、もし私がこういう立場になったとき、何が出来るのかな、と漠然と考えていた。
私がガンになって、自分を晒す勇気があるのか、と。
病気を公表して、毎日の泣き笑いを記すことはとても勇気が必要だと思った。
どうしてか。
コメントに心無い人の言葉がみつかったりするから。
時折、管理人が見えなくしているコメント欄を見て、とても残念な気持ちになった。
同時に、たくさんの応援のメッセージに自分の気持ちを重ねていた。
出来れば生きているその人に会いたかった。

何日かそのブログのことを考えていた。

後日、ガンが見つかった。
告知されたときは頭が真っ白だった。
幾人かの知り合いに連絡を取り、泣いた。
仕事を整理せねばならず、告知と同時期だったため何をどうやったのか覚えていない。
何もかもが白紙に戻された自分の人生。
すぐ生命保険の連絡をし、家にたどり着いた。

泣いた。
でも頭の片隅には、すでにその闘病ブログがあった。
泣きながら、ブログを立ち上げるべきかどうか、悩んでいた。
泣いてたけど、冷静なところもあった。
いや、冷静というよりも、何かしていないと落ち着かなかったんだと思う。

「やっぱり立ち上げよう。」ブログにも書いたけど、友人の後押しも大きかった。

ブログの立ち上げと同時に、ツイッターでも公表した。
本当は怖かった。みんなの反応が冷めていたら、「迷惑だ」といわれたらどうしよう。
公表したとたん、今回の勉強会で力を貸してくれるやすゆき(ID:@yasuyukima)さんがすぐ応援してくれた。
その後はあれよあれよとリプライをたくさんもらった。
返信しきれないほどもらった。
次の日も応援のメッセージがすごかった。涙が出た。

ツイッターをやって、一番思っていること。
「ひとは温かい。」
確かに、嫌な言葉を投げかけられるときもある。誤解を生んで気まずいときもある。
でも、本当に皆優しい。親切だ。
たった140文字なのに、色んな世界のひととつなげてくれた。

リアルの友達も優しかった。
皆真剣に心配してくれた。
言葉にはならなくても、本当に心配してくれてるのが分かった。

ああ、一人ぼっちじゃないんだな。本当にそう思った。


しかし、闘病は思ったよりも辛かった。
手術は怖かったし、胸を失う喪失感は相当あった。
抗がん剤は回を重ねるほどに辛くなり、普段できるだけ前向きな発言や思考に勤めようと思っているのに、自己コントロールを失っていくのが分かった。

ガンになったら(おそらく他の病気も)、患者に出来ることはとても少ない。
患者が出来ることは、ひたすら忍耐なのだ。
患者の家族も、とても辛いと思う。
患者の悲壮な姿を見ていて、穏やかに過ごせる人は少ないと思う。

傷を受け入れること、闘病に耐えること、一つづつクリアするには言葉が必要だった。
一つ一つの思いを言葉として綴るうち、闘病ブログは闘病者本人のためでもあることに気付いた。
そして、そこからの縁でつながる人の輪が、互いの心を支えあうのだと思った。

ブログやツイッターをしていて分かったこと、世の中にはガンであることを公表できないひとがたくさん居ることを知った。
ガンであることは、仕事を奪うことが多い。
たとえサバイバーとして克服したとしても。
病気による偏見があること、医療知識、いろんなことをサバイバー先輩や医療関係者から教えてもらった。
これは普通にしていて得られる情報ではないと思った。

たくさんの人からもらった幸福は、独り占めしてはいけない。
今私がお話できる情報を、ガンになる前に知っていたらどれだけ気持ちが楽になっただろう。
そう思うと、今健康な人に知ってもらいたいという思いが強くなった。

闘病で一番の敵は、失望だと思う。
治らない病気に、時折感じる偏見に、市町村の冷たい対応に。
何気ない小さな失望が、病気の体を更に蝕む。

先に知っていれば、もしかしたら失望は少し小さくなるかもしれない。

私が話したいこと。
ガンになって感じる色んな疑問。
ひとりの生活者として、思ったこと。

私に与えてくれた愛情は、他の人に手渡すべきなんだと思う。

是非私のバトンを、あなたに受け取ってもらいたい。


他の登壇者の方も、皆さんの役に立てるなら、という一心で参加下さります。
どうか彼ら彼女らのメッセージを一緒に受け取ってもらえたら。



勉強会の詳細はこちら。
http://yasuyuki.vox.com/library/post/life-with-cancer-on-jul-23-at-roppongi.html

申し込みはこちら。
https://spreadsheets0.google.com/viewform?formkey=dG1fcHhYcFJsdTgwT3haVmZHVWJob0E6MQ

当日、できるだけたくさんの人と直接お話できたらうれしいです。
そしてお願い。この勉強会のことを是非知り合いや家族に伝えてほしい。
病気は身近な出来事。
だからみんなと一緒に考えたい。