罹患の確率と深刻度

今日は生命保険の担当者が自宅に来てくれて、今後のことについて話した。
担当者とは大体無駄話が多い。大概1時間以上保険とは関係のない話をしている(笑)

今の保険はいちおう継続できるが、10年ごとに更新するタイプなのでその分値段が上がっていく。
ガンだけじゃなく、これまでの波乱万丈(うそ。小さなさざ波)の出来事を話さないといけなかったのでちょっと時間がかかった。

今後の保険をどうするかは、私にとってはなかなかに大きなことだ。
終身にすると高くなる。今の10年ごと更新とどちらがいいか?
担当者曰く、今終身に変えて高く払うよりも、10年後にガンの特効薬やより効果の高い抗がん剤が作られると想定して、今のままでおいておきましょうとの事。

厚生労働省は、今よりも更に医療費を圧縮したいらしい。
現在平均的入院日数は30日。それを10日程度にまで短くするのが目標だと、担当者が言っていた。
私は担当者は親切な人だと思っている。しかし、やはり健常者なんだと思った。
国も同じだ。患者一人一人なんて見ていられないのだろうか。

ある種数字だけを見ている気がする。
その数字の中に、私達一人一人がいる。

「そんなに若年性のがん患者は多くないですよ。」
そう取れるニュアンスがあった。

そうかもしれない。でも事実、私は若年性の乳癌患者だよ。
ここにいるよ。

そういいたかった。

誰もが教えてくれる「数字に惑わされてはいけませんよ。」
でも、誰も『公正な数字』をもっているわけではないと思う。
考え方次第で統計なんて変わってしまう。
見方によっては希望にもなるし、絶望にも変わってしまう。


私が加入している保険には高度障害になると、保険料免除という制度があるらしい。
「どんな状態になったらですか?」
「目が見えなくなったり、口が利けない、飲み込めない、耳が聞こえない、両方の手の手首より先がなくなったときなどです。」

それ以外は働ける、何とかできるってことなのかな?
本当に深刻な状態にならない限り、人は何らかのアクションをし続けなければならないんだな、と改めて思った。


担当者が言った。
「髪型、変えられました?」

私。
「これかつらです。」

見えていても、見えていない。
背景を知っているにもかかわらず。

そんなもんです。