ドーター ― 3つのガン

今日はかなり厳しく、内容的にきついものがあるので、気持ち悪いと思うなら今回は読むのを控えたほうがいいかもしれない。
しかし、できうる限り正確な症状を提供したい。そのためには読んでほしいと私は思う。


手術後だから言えるけど、私は3つのガンを取った。

最初の細胞検診での臨床診断は、「浸潤性乳菅癌・充実腺菅癌」。
乳ガンには浸潤性と非浸潤性があるらしい。リンパ菅に侵食しているかどうか、なのだが、これが進行具合を考えるラインと言ってよいと思う。
私は進行癌で、この時点でリンパ・乳菅を通じて他にも転移している可能性がある。

私の場合、しこりの形が丸く、癌ではあるが悪性度が低いと思われていた。
(悪性度が高いと、しこりがごりごりしていたり、皮膚が突っ張ったりしているそう。)

ところが、詳細結果が出るにつれ、結果が思わしくないことがわかった。
トリプルネガティブであることは、2/10のブログで書いた。
もうひとつ、具合が悪い特性があった。
転移の仕方だ。

主腫瘍・3cm。かなり大きい。
それにドーター…娘結節(むすめけっせつ)と呼ばれる転移腫瘍が7mm大。
腋窩(えきか)リンパに9mm大。
この3つがすでに癌だとわかっている。
※検査の時点で腋窩リンパが癌化しているかは解っていない。手術で摘出・病理解剖でわかる。手術前は腫瘍が見られるという意味。

私の主腫瘍のあった位置は、乳首すぐ上だった。
しかし、ドーターおよび腋窩リンパは、乳菅上にない場所だった。
この場所の転移のしかたが問題だった。通常乳菅を通って乳首から放射線状に転移していると思われたものが、場所を飛んで転移していた。
どうやらこれもトリプルネガティブの特性らしい。

乳菅が特に多いタイプらしく、恐らくごっそりとられているだろう。


怖かった。
トリプルネガティブであることもそうだが、癌が3つあるということが。
死の確率が高い―そういわれてるみたいで。
口にするのが怖かった。
腋窩リンパをごっそりとられ、今回の脇の傷が深く、入院が長引いてる原因であることを。
乳首は辛うじて残ったらしいが(見ていない)、裏の肉はがばっととられ、一部皮膚もとられていることが。

痛い。

主治医も、慎重に脇のリンパを取ったことだろう。
絶対冷静で感情が揺れることがないであろう主治医が、脇の癌がわかったときには私に告知するのを躊躇したのだから。
病理解剖後、転移は認められないとの報告を受け、はじめて教えてくれた。

その痛みだ。
バックアップも含め、かなり取ったといっていた。

痛い。

あるはずの胸がない。

手術すると、そこに体液がたまる。
細胞が活性化すると、体液がたまるのだろうか。
リンパをいじったから体液がたまっているのだろうか。
どちらにせよその体液は、傷を治すのには危険だ。リンパ浮腫…肉がぶよぶよになり、動かしづらくなる。
傷が深ければ深いほど、体液を出すのに時間がかかるらしい。

痛い。

心も体も痛い。


ブログを書くことで、感情を整理する。
ずいぶん、自分を客観視することの役に立っている。

今日の話は、手術が終わってからにしようと思ってた。
ブログで整理しようと思っていても、今回の内容はあとにしたかった。


今、過去にもらったデータをもとに、ブログを書いている。
徐々に冷静になってくる。
昨日の感情の揺れが、満ちていき、引いていく。


やはり戦わなくては。
私はこの世に一人だけなのだから。
自分を卑下したりするのも、エゴなのだ。