『早く帰ってきてね、かあちゃん』

相変わらず、リハビリだ。
地味な作業。

また4時に目が覚めた。
なんだか今日はぐずぐずだ。

だってつらいんだもん…。
だって切ってるんだもん…。まだ体液流れてるし。

特に脇は、腋下リンパを多くとっているようだ。それだけ傷は深い…。
腕を縦に上げることは、なんとかできた。
(まだ自力ではできない。)

しかし、横、胸側から外に動かすことが、容易ではない。
激痛、そして反射的に動いてコントロールが利かない。


焦っても仕方ない。
わかってる。
焦りを感じる自分を、前とは違うように感じる。
苛立て。
もう、怖くはない。


でも、死は怖い。そこまで悟れない。


気分転換に動きまくった。そこまで売店にいったり、レストランで紅茶を飲んだり。
ずいぶん助けられた。


今日は疎遠になっていた親戚が来てくれた。
嬉しかった。
しかし、自分の正直な病状を伝えるのは辛かった。
自力で見つけたこと、進行が進んでいること、ガンが複数であること、抗がん剤が効きにくいこと…。
これらは後日、改めて書くことにしよう。
若年性のガン…怖い。それだけで、リスクが高い…。

しかし、これがなければ、私は親や兄弟に対して、素直に話すこともできなかっただろう。ありがとうも、感謝してるも。

ずっと色々あった。
今は誰が悪いわけでもないと思える。
親においていかれた、誰も頼ることができないと思っていたけど、助けを求めなかったのは私だし、途中で諦めたり、満足できないレベルで手を打ったりしたのも自分だ。
思い込みとは、怖い。
偏見は自分を締め付ける。

本当は自由なんだ。
翼を生やすには、まず素直に力を抜いて、まっすぐ上を見ることが必要なんだ。

言葉ではわかっても、体験は共有できない。

歯がゆい。

こんなに痛いなんて。
こんなにつらいなんて。
もう本当に、こんな思いは一人でたくさんだ。
家族も悲しいだろう。

頼む、検診いってくれ。
もう誰にもこんな思いしてほしくないんだよ。
頼むから、行ってくれ。


同じことをツイッターでも呟いた。
どうか届いてほしい。


辛かったけど、普段会えない人にも結構会えたし。龍馬伝も楽しかった。

ブログを書こうとしたとき、息子から電話があった。
かあちゃん?げんき?」
元気ではないなぁ(笑)
「いつ帰ってくるん?」
まだわからない。
「あんな、…早く帰ってきてな。」
うん。できるだけ早く帰るね。


涙が出てきた。笑ってるけど。
息子のために、明日は横の動きに挑戦しよう。