次のステップを踏むために

病院の定期診察。
実は胸の手術で乳首の上部を切っているのだが、そこにまだ糸が残っていた・・・。
化膿していなかったから良かったものの、糸がまだ付いているって大丈夫なのか・・・。
そして取ってもらったはずなのに、今朝見たらまだ付いてる・・・。
取り残し、いくない。


先月CTを撮った映像をパパッとチェックした。(パパッとって・・・)
まあ、それは問題が無いということなのでいいのだけれども。
とりあえず異常はなかったらしい。
主治医によればCTは1年に1度くらいでよいとの事。
被爆もあるし、「そんなに頻繁に撮影することは勧めない」。

主治医に「ゾメタ」という薬をやるかどうかたずねられた。
ゾメタ?→http://www.zometa.jp/patient/about/index.html
日本では2004年1月に「悪性腫瘍による高カルシウム血症」に対して承認。2006年4月に「多発性骨髄腫による骨病変」及び「固形癌骨転移による骨病変」への適応追加が承認された。
主に骨転移の可能性のあるER陽性(ER→エストロゲンレセプター:卵胞ホルモン。乳がん細胞の表面にあるエストロゲンレセプターに作用して、細胞を増殖させるタイプのこと)の人は確実にやる薬らしい。

がんで一番怖いことの一つが、骨転移だという。
主治医の言葉を借りると、「がんの中には様々なタイプがあって、骨の中の部分を弱らせてがん細胞を入り込ませやすくする」らしい。がんも色々だ・・・。
そして、乳ガンは主要臓器に出来るがんではないのに恐ろしい理由、それは、骨転移を起こしやすいがんであるということだ。

参照:乳がんの骨転移を理解するために→[http://www.zometa.jp/illness/teni_01.html:title=http://www.zometa.jp/illness/teni_01.html ]

こわい。

改めて背筋が凍る。
おそらく私達がん患者は、死ぬまでこの恐怖と戦うんだろう。
転移、再発の恐怖と。

そしてここからが私のトリプルネガティブの話。
実はトリプルネガティブに、このゾメタは有効かどうかというデータはないらしい。
ER陽性というタイプには効果的らしい。(再発率30%減。これは大きな数字らしい。まあ単純に10人再発する人がいたら7人に減る) トリプルネガティブには必要が無いといわれている。
しかしとりあえず勧めたらしい。

このゾメタ、実は体に相当長い年月残る。
妊娠を希望しているならやらなくていい、そしてこの薬は結構高い。
骨に影響のある薬は、なかなか体から抜けない。
私は再建希望で腹の肉を使う予定(それをすると妊娠不可といわれている)だから、どの道妊娠はあきらめざるを得ない。
意外だったのが、妊婦の乳がん患者に抗がん剤を使用するらしい。(当然ケースバイケースだと思う)
抗がん剤胎盤を通らないそうだ。子供に影響はないらしい。
そして、抗がん剤は今現在私の体内にはない。それくらい残らず排出しやすい薬なんだそうだ。
その代わり、まだ爪は剥がれてるし細胞への影響は大だが。

また次回までに考えておくようにいわれた。

多分やら無いと思うけど、これはいつでもやっていいらしい。 トリプルネガティブ。悪性度が高いがん。
方法はないのかなぁというと「その代わり抗がん剤がよくきくから」といわれた。

乳がん患者は太ると再発リスクがあるといわれているが、これもトリプルネガティブに限ってはデータがないらしい。
何をどう気を付け生きるか。それが分かっていない。

今は特段とるべき手段もない。
機嫌よく生きるべし。


・・・だのに。
機嫌よく生きるための社会制度が整っていないように思う。
日本の国は色々な保護制度があるが、この国は一体、私達国民にどのように生きてもらいたいのか。
ハローワークでは失業者に溢れていた。
年齢も性別も本当にバラエティに富んでいた。
しかしそこでふと思い出した。
生活保護を申請している人は、「生活が出来ない理由」があって生活保護を申請しているはず。
病気や突然の失業もその事由にあった。
しかし、失業保険は病気で動けない(働けない)人に関しては受けられないとある。雇用機会を希望し、かつ、働ける人を対象にしているから。

しかし、私が生活保護を考えたときに市役所職員の説明によると、「国からの生活保護費は上限を21万円とし、住居費は5万5000円を上限とします。仮に働いたとしたら、その分21万円から差し引き、21万円を超える収入があったら支給されません。(※これでは私財を貯蓄することが出来ないし、生活保護下では認められていない。また、生活保護世帯は大学への進学は出来ないことになっている)失業保険がもらえる場合は、失業保険も含めて生活保護費にカウントします」と聞かされた。
体が動かない、働けないことが前提の生活保護費に失業保険がカウントされているのはどういうことだろか。
多分財源の問題だと思う。
しかし、財源の問題としても、それを市役所職員が指導しているのはどうしてだろう。
たとえば国民健康保険の加入ですら、「任意継続ならびに会社の健康保険が使えるならそちらを使ってほしい」といわれた。
その間は年金は止まっている。(ごめん、ここら辺うろ覚えだけどたしかそう。)
生活保護のほうが得という記事がネットで氾濫しているが、これほど恐ろしい事はない。
丸裸にされて、将来の展望も希望もないまま生活することが、「楽」と思えない。
ましてや誰かが納税してくれたお金で成り立っている制度、その誰もかれもが生活保護になれば、この国は成り立たない。
大体、ヤクザまがいの人間が悪用していることが多いようなこの生活保護制度で、生活の再建を目指せない。
本当に困っている人に浸透していないのを感じた。

私は自分がこの立場になって、「セーフティとはなにか」を真剣に考えなければならないと思っている。
生活保護費を目的に、自助努力が報われない、自助努力をしたほうが損と感じるような制度を、本当にセーフティと呼べるのか。
楽だから、得に見えるから(見えるだけ)、の理由で、安易にセーフティを利用していいのか。

生活保護の最大の問題は、現金を持ってはいけないということ。
銀行口座含め、10万円程度までの現金しかない場合しか受けられない。
そして、子供の口座まで調べられる。
たとえばこんな記事→http://okwave.jp/qa/q4336999.html
家族身包みはがされて、生活を再建できるだろうか?
もう一つの問題は、名義を変えて隠し資産を持っている「裕福な生活保護世帯」がいるということ。
多くは「市役所で怒鳴ったりする声の大きな人がいる」場合がそうだろう。

もちろん、動けない老人、病人・けが人、失業者、本当に困っているこれらの人には履行されるべきだと思う。
しかし、真面目に生活をやり直そうと思っている人が、生活保護で果たして再出発できるだろうか?

病気、失業、経済的破綻のこの3つはセットとして考えるべきだろう。
実際そういうサイクルになっている。
これは相当頭を抱える。

わたしにどうか、安らぎの時間を与えてほしい。
安らぎとは、安心してもう一度働き、納税できる時のことである。