肉体は思考の器

つくづく不思議なことが起こる。
今日また新しい出会いがあった。

人と出会うって素晴らしい。
違う血が輸血され、新たな流れが出来るみたい。

あるがままに−。
病気でリタイアしている状態ではなく、実生活で実践できているだろうか。
今は心穏やかにしているが、働き出したり思うがままに行かない生活に戻ったとき、穏やかでいられるかどうか。

不安に思っても仕方がない。
あわてず、騒がず、一つずつすればいいんだよ、と教えてもらった。

こうやって優しく諭してくれる人との出会いが、ずっと続いている。
一つ一つの言葉をかみ締めながら、独り黙々と考えていた。


かもめのジョナサン
この本は前から持っていたけど、なんとなく後回しにしていた。
昨日人に薦められ、このタイミングでようやく読む気になった。

ジョナサン・リヴィングストン。
食べるために飛ぶことを拒否したかもめ。彼は純粋に早く飛ぶことを身に付けたかった。
それはかもめの掟を破ること。
すごい速さの飛び方を身に付けた彼は、かもめの群れから追い出される。
独り黙々とより早く飛ぶ練習をし、更なる高みを求め、会得した。
それは肉体(物質)に頼るのではなく、精神と肉体を一致させること。
そうすれば限界はない。
彼は高みに上り詰めたとき、かつて自分を追放した仲間に対して、愛情を感じ始める。


優しさとは、惜しみなく教えることなのだと思った。
能力を身に付けることは、食べることでも物質的に豊かになることでもない。
より高みに上ることなのだ。


私は自分の悩みが、またちっぽけなことを教えられた。
素晴らしい出会いと、1冊の本が教えてくれた。
私は自分が、まだ偏見や固執した考えにとらわれていることを悟った。

何かの行為をするとき、私はこんな風にいつも好奇心を中心に考えていられるだろうか。
ここで躊躇してはいけない。
ここで自分を否定してはいけない。
心の奥底から湧き上がる健全な気持ちは、肯定するべきなのだ。


明日は抗がん剤
これまでとは違うDOC(読み方:ドセ)というもの。
これが白血球を激減させるらしい。
あさっては白血球の注射をする。
かなり辛いらしい。

丁度いい機会ではないか。
辛い状況で私がいつまで素直な好奇心を保っていられるか、これは試すチャンスだ。


決して楽しくない状況でも、楽しめるようになりたい。